なぜ海外投資家は売り越しているか?
こちらの記事にあります様に、2024年の年初からの外国人の売り越し額は過去10年で最大規模になる様です。
結論から言いますと、外国人が大きく売り越した理由はアメリカ経済の利上げサイクルを原因としたベトナムドンの通貨危機を警戒しての行動だと考えております。
例えばベトナムの新興国アップグレードは米国(IMF)次第ですから、ベトナムが財政破綻した後の方が「外国人制限」を強引に撤廃できるのでアメリカには先延ばしをしたい理由の方が大きいと推察しております。
現在、米国FEDは高金利状態を進めており、利下げに転じるタイミングを探っております。
アメリカの投資家からすると、ドル高の今、彼らは新興国の資本(株や不動産)を買い増したいという利潤動機がございます。
それは今、現実に日本で中国人が不動産を買ったり、外資系のホテルがドンドン建ったり、欧米のアクティビストが東証で日本企業の貯蓄を吐き出させる活動(含み資産からの増配や持ち株制度の撤廃)から見て理解する事が出来ます。
ベトナムは未だに外資が単独で銀行、不動産、会社のオーナーになる事はできません。
米国資本家はこのベトナムの国家保護主義的な資本主義を欧米型の植民地型経済に変更したいという利潤動機があり、その資本改革交渉を有利に進めるためにベトナムに対して高金利のドル高政策で経済的な侵略を進めたいと思惑があります。
ベトナムの株、ベトナムの不動産から外資が撤退するのは半導体・軍事産業がないのも一因です
昨今のAIバブル、新冷戦により、世界的に半導体需要が高まっております。
ロシアは軍事転用のため、洗濯機からも半導体を取り外して兵器に転用している様です。
外部リンク:ロシア、家電を迂回輸入 半導体軍事転用の指摘も
半導体と言えばTSMC、東京エレクトロン、エヌベディア、ASMLと日米韓中台湾メーカーが大きな独占状態であり、ベトナムにおいて半導体の生産工場は2024年現在、ございません。
この新たな軍事・AI競争においてベトナムに投資するよりも日韓台湾への投資の方がα(伸びしろ)が高いのでグローバルマクロ投資におけるベトナムから東アジアへの投資比率のシフト(投資比率の変化)があったのだと考えております。
どのベトナム株が上がるか?それは足の速い外国人がいない銘柄です
このような状況の中でどのベトナム株が良いかと言えばまず「外国人比率の少ないベトナム株」です。
さらに配当利回りが高い株が組み合わさると下落しにくいと考えております。
つまりキャッシュリッチで安定配当がある外国人が少ない株です。
具体的に言えばVGI SNZ SZL WCS DVPや、外国人が株主でも製薬株の様に安定株主であれば売りの可能性は低いと考えております(例えばハウザン製薬は大正製薬が安定株主です)
多額の現金を保有する高配当のベトナム企業は資本の担保がありますので疑似債券として保有するという投資スタイルが今は望ましいと考えております
もっとシンプルに言えば「倒産しないでお金を預けておけば配当が貰える」株です。
2024年現在、ウォーレンバフェットは「暴落待ち」のスタイルで相場に臨んでおります。
スポーツ紙の記事で申し訳ございませんがこちらの記事でも「バフェットが暴落待ち」である事が分かります。
外部リンク:投資の神様バフェットは生涯3度目の「待機」に入っているのか~米国株暴落、そして日本市場の関係を考える
今のところ、ベトナムで金融危機が起きる可能性は低いですが…
ベトナム政府には現在多くの外貨準備高があり、まだ危機的な状況からは遠いですが、かつてタイや韓国で起きたことはベトナムでも起こる可能性がないとは言えません。
外部リンク:IMFによる韓国救済
仮にアメリカが2024年に1回の利下げを行ったとしても、依然としてベトナム経済に逆風のドル高トレンドはすぐには収まらないでしょう…
ベトナムメディアが株や金ではなく、定期預金を勧めている記事にも注目しております。
越メディアは検閲が入るため、このような記事にも越政府の意向が入っていると考えております。
株は溶けるとゼロになりますが、預金は消えません。越政府はこのようにうまくメディアを操作して、結果的に国民の資本を守ることで治安の悪化やクーデターが起きない様に経済的な防衛措置を取っているのかも知れません。
しかし状況は刻一刻と悪化の道を辿っております。今年はフィリピンやインドネシアの株式指数はマイナスのパフォーマンスです。
私は専業投資家であり、中年になった今、資産が暴落で消滅すれば人生に与えるインパクトは計り知れません。
「地獄への道は善意で舗装されている」という諺が示す通り、備えが必要な段階になってきたのだと考えて、これからのベトナム株式運用に臨みたいです。
この記事がベトナム株式を検討・運用されているあなたの参考になりましたら嬉しく思います。
コメントを残す